今日、歯科医療機関における院内感染防止にはスタンダードプリコーションという考え方が原則になっています。

 

スタンダードプリコーションとは、1996年に「米国厚生省疾病管理・予防センターCDC」が提唱したもので、今や世界中の医療機関の感染管理の基本的な考えとなっています。「全ての患者は未同定であり、感染の可能性のあるものとして取り扱い、針刺し事故、排泄物、血液、病理組織、胎盤、抜去歯、は感染の可能性のあるものとして取り扱う」とされています。

また、滅菌できるものは全て滅菌処理を行い、滅菌不可能なものはディスポーザブル製品を使用することが原則であります。

当院でも、スタンダードプリコーションの原則を遵守し、院内感染防止マニュアルを作成し院内感染防止に努めています。

“日本歯科医学会監修 院内感染対策2007年発行”によりますと
「エアタービン類が患者間の疾病の伝播に関与するという疫学的なデータはないものの、色素液を用いた研究で口腔内の液がハンドピース使用時にハンドピースの内部へ引き込まれる可能性が確認されており、使用したエアタービン類を別の患者へ使用した場合、前の患者の汚染物質が口腔内へ飛び出す可能性が認められている。実験的にもエアタービン類の内部にウイルス DNA及び増殖可能なウイルスが保持されていることが確かめられている。エアタービン類の耐久性の向上と機能性を長く保証させるためにはメーカーの指示を遵守した加熱滅菌をする前に洗浄と注油が重要な要素となる。
とあります。

この論文はハンドピース内部の未滅菌での使用でも実際の医療現場で患者間で明らかに感染が確認されたわけではないとのことですが、実験上では感染の可能性はあると結論付けています。
”患者の自己決定を支援する予防型総合歯科医療”の展開は当院の基本理念であり、その実践のためにも安全、安心の歯科医療を受けて頂く環境づくりは、必須のものとしてとらえています。相手は人間の目には見えないウイルスや細菌やカビの仲間たちです。滅菌済みでも未滅菌でも見た目には正直分かりません。しかし、医療従事者としての正しい倫理観のもと、これからも標準化された院内感染防止対策は積極的に取り入れて行きたいと考えています。